肝硬変の検査と診断

(1)肝機能検査

 

慢性肝炎の経過中に、下記のような動向が生じた場合は、
肝硬変への伸展があると考えます。

 

A. 血液検査

 

アルブミン

 

基準値: 3.8〜5.3g/dL

 

動向: ↓ 肝細胞の合成能障害を反映しています。

 

プロトロンビン時間

 

基準値: 70〜100%

 

動向: ↓ 肝細胞の合成能障害を反映しています。

 

血清ビリルビン値

 

基準値: 0.2〜1.0mg/dL

 

動向: ↑ 肝細胞の壊死を反映しています。

 

血清コリンエステラーゼ

 

基準値: 200〜495IU/L

 

動向: ↓ 肝細胞の合成能障害を反映しています。

 

血清コレステロール値

 

基準値: 120〜219mg/dL

 

動向: ↑ 胆汁のうっ滞を反映しています。

 

血小板

 

基準値: 15〜34×10?/μL

 

動向: ↓ 門脈圧亢進によって脾腫が起き、脾機能亢進のため汎血球減少、
     肝臓の線維化を反映しています。
     10×10?/μLは、肝硬変を強く推定する数値です。

 

B. 肝線維マーカー

 

P-V-P(procollagen-V-peptide:V型プロコラーゲンアミノペプチド)

 

P-V-Pは、現時点での線維の産生量を反映しています。

 

基準値: 1.0U/mL以下。

 

高値持続の場合は、線維化の進行による肝硬変の進行が推測されます。

 

血清W型コラーゲン値

 

血清W型コラーゲン値は、線維化の程度に相関し、
200ng/mL以下は、肝硬変の可能性が高いと推測します。

 

血清メラニン値・血清ヒアルロン酸・血清コラーゲン値の高値は、

慢性肝炎から肝硬変のへの進展を推測します。

 

C. その他

 

ICG(indocyanine green:インドシアニングリーン)

 

ICG(インドシアニングリーン)は、肝細胞の色素処理機能を表します。

 

15分停滞率が20%以上の場合は、肝硬変を疑います。

 

BCAA(branched chain amino acid:分岐鎖アミノ酸)

 

肝硬変では、芳香族アミノ酸(AAA)が増加することによって、
フィッシャー比(BCAA/AAA)が減少します。

 

血清AFP(α-fetoprotein:α-フェトプロテイン)

 

慢性肝炎・肝硬変患者さんでは、経時的に血清ASP値が上昇傾向にあります。

 

PIVKA-U(protein induced by vitamin kabsence or antagonistU:凝固因子プロトロンビンビタミンK)

 

PIVKA-Uの高値は肝がんを疑います。

 

(2) 画像検査

 

超音波検査

 

超音波検査では、肝表面、肝辺縁、肝の大きさ、肝実質パターン、
門脈圧亢進に伴う脾腫、側副血行路、腹水の有無などを確認することができます。

 

肝硬変の場合は、肝表面の凹凸が不整、肝辺縁(へんえん)の鈍化、肝右葉の萎縮、左葉の腫大、
肝実質パターンの粗造化が見られます。

 

また、門脈圧亢進に伴い、脾腫、腹水、胆嚢壁肥厚、
門脈側副血行路も見られるようになります。

 

CT(computed tomography:コンピューター断層撮影)検査

 

CT検査は、腹部超音波検査よりも肝の変形や腫大、萎縮、腹水、
脾腫の程度を客観的に把握することができます。

 

腫瘍があるかどうかだけでなく、
質的診断も可能なので、超音波検査と併せて行い、診断に役立てます。

 

MRI(magnetic resonance imagin:磁気共鳴画像診断)検査

 

MRI検査は、腹部超音波検査、腹部CT検査と動揺の所見を確認することができますが、
CT検査よりも組織コントラストに優れます。

 

造影剤を使用した磁気共鳴血管造影法
(MRA:magnetic resonance angiograpyu)を用いることにより、
より明瞭な画像を得ることができるため、診断に役立てることができます。